今回は、「心に沁みついた寂しい気持ちを解消する方法」を紹介いたします。
- 「恋愛をして寂しいことがあった」
- 「仕事やバイトを辞めることになって寂しい」
- 「相談する相手がいなくて寂しい」
- 「仲間外れをされて寂しい」
心の傷が深いと、寂しい気持ちを止めたいのに止められません。
とはいえ、気持ちを誰かに話したいけど話す人がいない。
そんな時に、寂しい気持ちはさらに闇を深めます。
寂しい気持ちがループしてしんどい。
そんな心に沁みついた寂しい気持ちを解消したい方むけに書いていきます。
どんな方法を使っていくかを簡単に言うと、「セルフ・コンパッションの考え方を元に、自分に優しい言葉をかけて辛い気持ちを和らげる」ことになります。
少しでも闇から抜けられるようにお手伝いできれば幸いです。
ただし、寂しくてつらい気持ちが収まらない時は、無理せず専門家、カウンセラーに相談しましょう。
目次
解消するための第一歩【寂しい気持ちを深めようとしているのは、じつは自分自身だったことに気が付く】
心に沁みついた寂しい気持ちを解消するために、まず気づいてほしいことがあります。
それは、「寂しい気持ちをループさせようとしているのは、自分だ」ということです。
寂しい気持ちを和らげるための第一歩は、「自分を傷つけているのは自分だということに気が付く」ことです。
では「どうやって、傷を深めているか」について説明していきます。
最初は、寂しい気持ちが10ある数字のうちの、3の寂しい気持ちレベルだとします。
ですが、寂しいと感じてるうちに、ループしながら10の寂しさレベルへと増加させていきます。
例えば、失恋した場合を考えていきます。
彼もしくは、彼女と別れて、寂しくなった。これがレベル3の寂しさとします。
もうすでに、他の異性と楽しい時間を過ごしているかもと考えたら、寂しさはレベル5になるかもしれません。
さらに、自分が魅力的な女性ではなくなって嫌われたと思うと、レベルが10となるかもしれません。
気が付くと、自分で現実を歪曲して寂しい気持ちを増加させています。
実際は、別の異性と過ごしていないかもしれませんし、自分に魅力がなくなったわけでもありません。
妄想で自分を傷つけています。
事実をそのまま受け止めることで、「過剰な反応をしていること」に気がつきます。
気がつくことで、寂しい気持ちを増加させることの歯止めになります。
ここで、「寂しい気持ちを深めている自分に気が付くための方法」を紹介いたします。
心理学者が提唱している「他者視点」というやり方です。
「他者視点」とは、「起こったことを誰か他人の目で見て、そこにいる自分と距離を置いて観察する」というやり方です。
「他者視点」をやることで、寂しく感じている自分をこれ以上責めないよう、気持ちの整理するのに役立ちます。
他者視点で見る方法
- らくな姿勢で座るか、横になる。
- 目を閉じて、寂しくさせている原因や状況を思い浮かべる。
- 視点を後ろに引いていき、空から自分の姿を見るようにズームアウトする。相手がいる場合は、相手も同時に視界にいれる。
- さらにズームアウトして、宇宙から自分を眺めている感じにする。
- そこで視点を固定し、距離を保ったままで、起こった出来事をリプレイする。通りすがりの他人になったつもりで、それを眺める。
宇宙から、自分の様子を見る宇宙人になったつもりでもいいです。
「地球人が、寂しい寂しいと辛そうだな、○○(寂しくさせている原因や状況を具体的に○○に入れて下さい。)があったんだな」とぼやきましょう。
「他者視点」でみることで、辛い気持ちが減ることが実験によって実証されています。
「他者視点」でみて寂しいレベル3であることを思い出してください。
ただ、ここで見直してもレベル10であることもあるでしょう。
レベル10であっても大丈夫です。
大事なことは、過剰に反応しないことです。
レベル10を13にしないことが第一歩で大事なこととなります。
解消するための第二歩【寂しい気持ちをありのままに感じる】
寂しい気持ちをありのままに感じることが、解消するための第二歩となります。
さっそく解消法を説明したいところですが、その前に寂しい心を癒すための前提条件があります。
前提条件をクリアすることで、ループされる心の寂しさを和らげる手助けとなります。
寂しい気持ちをありのままに感じるための前提条件とは?
では、前提条件とは何でしょう。
それは、「過去の出来事」が原因で寂しい気持ちになっているということを認識することです。
認識したうえで、寂しい気持ちをありのまま感じていきます。
分かりにくいと思いますので、さらに説明していきます。
「たった今のこの瞬間は文字を読んでいる」それが、現在です。
一方で、寂しい気持ちの原因となる出来事は「過去」に起こったことです。
脳の中では、「過去の出来事」と「現在の出来事」の区分ができません。
そのため「過去の出来事」を思い出しては、「現在の出来事」のように心を何度も傷つけます。
「過去の出来事」と「現在の出来事」を脳が区別することができれば、「現在の世界」にあなたを攻撃してこようとしている敵はいない事に気が付くでしょう。
その上で、過去に起きた原因によって引き起こされている寂しい気持ちを思いっきり感じてあげます。
これ以上寂しい気持ちを感じるのが辛い人に知ってほしいこと
そうは言っても、「寂しくて、辛くて、早く抜け出したい」と思っているのに、なぜ「もっと感じましょう」と言うのだろう。
「納得ができない」「辛い」と思うかもしれません。
そこで、そんな思いをしてまで、「寂しい気持ちをありのまま感じる必要性」について、説明いたします。
寂しい気持ちの原因を掘り下げ、感じる作業をしないで、次のステップに踏み出そうとするとどうなるでしょう。
これは、スポーツの試合中にケガをした選手が、痛みを我慢して試合を続投することに似ています。
痛みを感じながら続投したら、怪我は悪化しますよね。
痛みを感じテーピングをし続投したり、すぐに治療をしていたら、大きな怪我となっていなかったもしれません。
あなたは今、心に怪我をしてるのにきちんと手当てをしないで、毎日を生活している状況です。
「怪我は治っている」「大きな怪我ではない」と認識している人もいるかもしれません。
手当てをするためにも、「傷がある」ということを自分で分かってあげましょう。
傷を認識するからこそ、治療ができるのです。
心に沁みついた寂しさをありのままに感じる状態とは?
では、心に沁みついた寂しい気持ちをありのままに感じるとはどういう状態でしょう。
別の言葉で表現すると「寂しさをネガティブでも、ポジティブでもなく、中立的に受容する」になります。
思考や感情は常に頭の中に沸き起こってきます。
そして、脳はポジティブな情報よりもネガティブな情報に対して過剰反応します。
辛いことがあって傷ついている今、寂しいという感情をプラスもマイナスもなく「ただ感じる」ことがありのままに感じる状態となります。
心に沁みついた寂しい気持ちをありのままに感じる方法
そこで、心理カウンセリングで使用されるテクニックを使い、実際に感じていきましょう。
このテクニックは、4日間連続、一日20分を目安に行っていきます。
心に沁みついた寂しさは、心に沁みついている分だけ時間をかけてあげましょう。
心に沁みついた寂しさを感じる方法
- 紙と筆記用具を用意します
- まず、「過去に寂しいと思った経験」について書き出してください
また、その時の出来事や感情について具体的に詳しく書いていきます - 次に、「現在寂しいと感じている経験」について書き出してください
2と同様に出来事や感情について具体的に詳しく書いていきます - 2と3で書いた寂しいと思った経験にレベルもしくは、点数をつけていきます
- 2の内容の中で過去のものに対して、「どうして寂しくなくなったのか」「人生において自分にどのような影響を与えたのか」を書いていきます
- 3の内容について「どうすれば寂しさが小さくなりそうか」「今後人生をどう変えていきたいのか」を現在の寂しい原因であてはまることを書いていきます
2の例(詳しくあるだけ書いていきましょう)
3の例
4の例
5の例
6の例
過去と現在を比べることで、今回の寂しい原因となった「過去の出来事」がどのレベルなのか感じやすくなったと思います。
また、紙に書くことで、現在の気持ちを感じることができたと思います。
心に沁みついた寂しさの原因となった出来事をありのままにとらえたので、次のステップに進んでいきます。
解消するための第三歩【「自分と他人」の区分を曖昧にして「正と悪」の判断をやめる】
心に沁みついた寂しい気持ちを解消するための第三歩は、「自分と他人」の区分を曖昧にして「正と悪」の判断をやめることになります。
私たちは、生まれてから「いい子」「悪い子」と区別されたり、「これはやっていい」「これはやってはいけない」と教育を受けてきました。
「生まれてきた環境」、「人間関係」、「国の文化」いろいろな方向から教育をうけることで、脳は無意識に「正しいのか、悪いのか」と判断します。
「正と悪」の二つに評価をする癖。
この癖に上乗せして、「自分と他人」を区分する事により、さらに自分を非難していきます。
「他人よりできない自分がダメな人間」と考え「寂しい要因が自分にある」と癖により自分を責めます。
他人と比較し、「正と悪」で判断して、自分を責めるのやめよう。
といっても、長年の癖により簡単にはできません。
そこで、「正と悪」の判断基準となる「自分と他人」の区分を曖昧にすることが癖をやめる手助になります。
さらに分かりやすく説明していきます。
「自分と他人」を区別することは、「他人」という比較対象者を見つけ出すことになります。
「○○よりできない」自分は、「ダメ」で「悪」だというラベルを貼ろうとします。
ですが、人間とは複雑で曖昧さを持っています。
経験や思考の違う「自分と他人」は、単純に比較対象とならないし、「正と悪」の二つで判断は困難です。
誰しもが、世の中すべてを完全にコントロールはできないし、色々な可能性をもっています。
悲惨な幼少期を迎えたからと言って、すべての人が同じ道を進むとは限りません。
ですが、心に沁みついた寂しい気持ちを抱いている時、「正と悪」、「自分と他人」をきっちりと区分しているのではないでしょうか。
より分かりやすく理解するために、例えを使って説明していきます。
「自分と他人」の比較、「正と悪」の自己判断に気付く【恋愛の場合】
恋愛の場合は、特に「自分と他人」の比較、「正と悪」の判断をしてしまいがちです。
失恋を例にとって、「自分と他人」の比較、「正と悪」の自己判断をどのようにしているのか説明していきます。
失恋をしたとき、どのような感情をもつでしょう。
- つきあっている彼、彼女から別れを切り出されて寂しい。
- 楽しかった思い出を思い出しては、涙がでる。
- もっとこうしていたら続いていたのにと、後悔する。
後悔をして、さらに「寂しくなっていく」ループをする。
つらい、寂しいという感情がでてくるでしょう。
さらには、事実に上乗せして、偏った自己判断が付け加えられていきます。
- 第三者と比べて、容姿がよくない
- 第三者と比べて、○○ができない
- 彼もしくは、彼女より○○という点が劣っていて、彼氏もしくは、彼女としてふさわしくない
寂しい気持ちがループをしている時、別れた原因は、「自分がダメ」、「自分が悪い」と「悪」の判断をしていないでしょうか。
自分と比較して、「自分が劣っている」と「自分と他人を」単純に比較していないでしょうか。
そもそも、彼もしくは、彼女と別れることが悪いことと「悪」の判断をしているのではないでしょうか。
「自分と他人」を比較して、「正と悪」で判断すると、「悪」と判断しがちです。
特に、ネガティブなことに顕著に現れます。
自分が悪いわけでも、間違えたわけでも、劣っているわけでもないのです。
そして、別れたことが「悪い」ことでもないのです。
今は辛く寂しいかもしれませんが、未来で幸せな相手と付き合った時、別れたことは「悪い」ことではなくなります。
「正と悪」、「自分と他人」と分けて考えることは他の色々な可能性を否定します。
「複雑さ」と「曖昧さ」を取り入れることで、異なる方向に展開できる思考をもつことができます。
「ジェネリック・ユー」という手法を使って、寂しい気持ちを中和させる
では、そのための思考を身につける「ジェネリック・ユー」というテクニックを紹介いたします。
これは、「寂しさを中立的に受容する」テクニックにプラスして用います。
「自分」と「他者」の区分をなくし一般論に変えることで寂しい気持ちを中和させていきます。
一般論にすることで、「正」でも「悪」でもないこと認識できるようになります。
寂しい気持ちを和らげる方法
※1から5までは、解消法第二歩と同じになります。
- 紙と筆記用具を用意します
- まず、「過去に寂しいと思った経験」について書き出してください
また、その時の出来事や感情について具体的に詳しく書いていきます - 次に、「現在寂しいと感じている経験」について書き出してください
2と同様に出来事や感情について具体的に詳しく書いていきます - 2と3で書いた寂しいと思った経験にレベルもしくは、点数をつけていきます
- 2の内容の中で過去のものに対して、「どうして寂しくなくなったのか」「人生において自分にどのような影響を与えたのか」を書いていきます
- 3の内容について「どうすれば寂しさが小さくなりそうか」「今後人生をどう変えていきたいのか」を現在の寂しい原因であてはまることを書いていきます
- 2と3の内容に、「誰しも○○することがある」「どんな人でも○○する」と付け加えて文章を書きます。
7の例
心に沁みついた寂しさの原因となった出来事を「ありのままにとらえる」ことができるようになったら、次のステップが進みやすくなります。
自分しか辛い思いをしていないという「自己憐憫」から、「誰しも経験する事である」と気持ちを落ち着けたうえで、次のステップに入っていきます。
解消するための第四歩【自分に優しい言葉をささやく】
心に沁みついた寂しさを解消するための第四歩は、「自分に優しい言葉をささやくこと」になります。
自分に対して厳しい人は、なかなか自分に甘い言葉をかけられないかもしれません。
ですが、解消するための第三歩を進んだあなたは、優しい言葉を自分にかけることを許せるようになってきていると思います。
自分に優しい言葉をかけることは、「悪」ではなく、「怠惰な自分になる」ことを推奨するわけでもありません。
優しい言葉をかけられるだけの「かけがいのない存在」であるということを自分の脳に訴えていくのです。
では、具体的に自分に優しい言葉をささやき方を説明していきます。
自分に優しい言葉をささやき方
- リラックスできる体勢になる。
- ゆっくりと深い呼吸、腹式呼吸をしながら、目を閉じます。
- 足のつま先から頭のてっぺんまでで寂しいと感じている部分があるかを確認します。
- その場所は、どんな風に感じているかさらに意識を向けます。
もし、寂しいと感じている個所がなければなくても問題ありません。
「寂しい」というふうに感じて分かれば、体全体に意識を向けて下さい。 - 寂しいと感じている個所に集中しながら、優しい言葉をかけていきましょう。
優しい言葉のかけ方の例
- 「今、私は、寂しくて寂しくて辛いよね。」
- 「誰でも、寂しいと感じることはあるし、寂しいと感じることも経験のひとつだよ。」
- 「ねえ、今自分に優しい言葉をささやいてもいいかな。」
- 「私は、優しい言葉をかけられる価値ある人間だよ。」
- 「かけがえのない人間だよ」
自分に合ったフレーズに変化させながら、繰り返し寂しいと感じている箇所に向かって優しい言葉をかけてあげてください。
時には、上の写真のように実際に、寂しさを感じる箇所を優しくなでてあげてみたり、自分で自分を抱きしめてあげてましょう。
まとめ
心に沁みついた寂しい気持ちを解消する方法を紹介してきました。
寂しくなる原因、経験は、消えることはありません。
優しい気持ちで受け止めることで、心に沁みついた寂しさを変化させていきます。
寂しいと感じるループを減らし、傷の深さを浅くします。
第一歩で、「自分が過大に責めている」ことに気が付き、第二歩で、「事実を過不足なく感じる」ことをします。
その後、第三歩・第四歩で「寂しい自分、寂しくさせる原因を中立の内容で受け止めて、優しい言葉を投げかける」ことをします。
これを繰り返し行うことで、心に沁みついた寂しさを癒していきます。
時間をかけ、日数をかけ、ゆっくりと癒していってください。
それでも、自分ひとりで対処するのが難しいと感じた時は、専門のカウンセラーや病院に行くことをお勧めします。
無理は厳禁です。
参考文献
セルフ・コンパッション―あるがままの自分を受け入れる クリスティーン・ネフ, 石村 郁夫他
- NYの人気セラピストが教える 自分で心を手当てする方法( ヨメレバ
ガイ・ウィンチ かんき出版 )
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